ゆく試験くる試験

終わってみれば、8月の試験の結果はかなりよかった。安衛法なんて、評定Sという一番いい評価までもらった。どんな問題が出たのかは試験の終了ボタンを押した瞬間に忘れてしまった。

そしてまた、今週末に科目修得試験を控えている。10月以降の試験は1回2科目まで、と決めているので、自分自身との闘いでしかない。科目は「労働者災害補償保険法」と「心理学基礎」だ。労災法に関してはいつもどおり、テキストの問題を解く勉強方法で、一足先に1周した。やはり苦戦しているのは「心理学基礎」だ。リポートで出題範囲になった部分については、単語に下線等引いて見やすくなっているものの、それ以外の部分、読んだだけになっている章の単語を目に入りやすくしておく必要がある。必要がある、と思っているのに進捗が悪い。

心理学のテキストは、10章立てで構成されているのだけど、章の取り扱う内容によって興味の深度が違いすぎて苦労している。心理学の「基礎」というだけあって、哲学的な内容等はほとんどなく、このテキストの多くは心理学の発展の歴史、有用とされる実験、感覚を数式化した流れなどが続く。そういったものの中に、歴史の転換やブレイクスルーとして有名な『パブロフの犬』や『電気椅子実験』、『ルビンの壺』が出てくる、といった具合である。章によって、というのは、全部が全部難しい単語やサラッとした歴史というわけでもなく、PTSDの具体的な時系列変化を詳細に書いた章や、犯罪者の心理学などミーハー目線で楽しめてしまう部分も存在する。

苦戦している、と言いながらも、単語の線引きは中途半端なもののとりあえず1周はできたし、2周目として試しに1章を改めて読んでみたら1回目とは大違いの頭の入り方で、「教科書は7回読み」の真髄のはしくれみたいなものを2周目のひとかじりで分からせられた気分である。

勉強以外だと、この1ヶ月で急速に手帳欲がムクムクしだして、文房具への散財っぷりが激しい。ロルバーンに手を出してしまったのが運の尽きで、すでにゼリーが書かれた2024年のダイアリーが手元にあるのに、渋いグリーンカラーのロルバーンダイアリーも手に取ろうとしている。ほら、ロルバーンのダイアリーは9割方ノートだからさ…。なんて思ってたら、ロロマクラシックだの、プロッターだのと革の手帳が目に飛び込んできて、今はトラベラーズノートのオリーブを、目を皿のようにして眺めている。心理学のテキストに、フランクル「夜と霧」の記述があった。言わずと知れたユダヤ強制収容所に収容された心理学者の名著だが、どんな過酷な環境の中であっても、希望や生きる意味を見出し過ごすことがいかに素晴らしいことか…。夫を亡くし、1人の時間を持て余して、特に大仰な目標があるわけでもないのに暇つぶしに通信とはいえ大学に通い出した自分も、もっと能動的に目標を見つけてみてもいいのではないか。たとえばこのトラベラーズノートは世界各地に店舗があって、その店舗にしかないスタンプがあるらしい。卒業するために単位を取る、単位を取るために勉強する、と同じように、スタンプを押しに行くためにその場所へ行く、という目標があってもいいのかもしれない、という、ギュインギュインと回り道をして買う動機を作っている最中です。